日本の滅茶苦茶な雇用方法

賃金の支払われ方には、職務給と職能給というのがある。
日本では職能給を採用しているが、これと日本の新卒者の採用方法とは実は大いに関係ある。日本では、新卒者は大学で専攻した事と関係のない仕事に就くのも普通である。新卒者が何が出来るかという事を問題としないので、東大の学士の方が博士より評価が高くなると言う事も普通に起こる。このために日本は高度な知識、技術を必要するソフトウエア産業や金融では秀でなかった。高度な知識を学ぶインセンティブがほとんどないのである。日本が秀でたのは、大学で学んだ知識を生かす事が出来る製造業ぐらいと言っても過言ではないだろう。このシステムでは、一流大学へ入った事自体が評価され、学部、修士、博士で学んだ事はほとんど評価されない。従って諸外国では歓迎されている博士が歓迎されないという風変わりな事が起こる。何がいいたいかというと、職能給は日本の新卒者の採用方法に非常にマッチした制度で、職能給だからこそおかしな事が起きているとも言える。

では職能給から職務給に変えるとどうなるであろうか?欧米のように修士、博士の評価は学士より確実に高くなるであろう。学士、修士、博士は入る段階でそれぞれ違う仕事をすべきである。すべきと書いたが、出来る仕事により分けるのである。入った段階でほぼ横並びの給料ではなく差をつけるべきである。それがインセンティブにつながるのである。同一労働同一賃金は職務給と言い換えて差し支えない。現在の歪んだ、個人のインセンティブを奪う職能給を早急に見直すべきである。


(参考)
終身雇用がクリエーターを滅ぼす

池田信夫

http://ascii.jp/elem/000/000/402/402074/index-2.html